それにしても、いったいいつごろからアニメの視聴率や、商品の売り上げを作品の成功失敗と連動させて考える人びとが出てきたのだろう。たぶん「覇権」だの「オワコン」だのと言い始めた頃にさかのぼるのかもしれない。 本来、オタクとは、世間の流行とは少し離れたところで自分の趣味を追求している人間だったはずだ。オタク文化自体が世間の流行りとはべつのところにある文化であり、オタクを選ぶことは傍流であることを選ぶことにほかならなかった。 ところが、その後、オタク文化はより巨大になり、より洗練された。そして、オタク文化がより一般的になり、オタクを名乗ることに対する抵抗感が薄れた結果、オタクを名乗りながらも実態としては「みんなと同じ」ではないと気が済まない人間が増えてきたのだろうと推測する。 「みんなと同じ」であることが「勝ち」であり、「だれも見ていないアニメをひとりで見ている」ことが「負け」であると考えるような価値観、それはまさに一昔前の「普通の人」そのものだ。